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食堂松月@愛知県蒲郡市

kage

2011/06/26 (Sun)

秘密にしておきたい漁港前の食堂! 松月

旅行やドライブが好きで、食べることが好きなものにとって、どこで何を食べるかは大きな問題です。地のおいしいもの、地元では食べられないものを優先することになります。特に周りを海に囲まれている日本では海の幸はその筆頭になるかと思います。海の近くでおいしい魚介類をお手頃に食べたいと思う人は多いと思います。

新鮮な魚介類がてんこ盛りです

が、観光地や大都市に近い海辺の飲食店の多くは観光地値段だったり、安いけど地の魚ではなくイマイチだったりと、なかなか満足のできる店はないのが現状だと思います。そんな中、愛知県蒲郡市でお手頃で魚がおいしく、なおかつメディアやネットに余り登場しない隠れ家的なお店に行くことができました。なんせあの某巨大グルメ系口コミサイトにまだレビューがないんですから!

こちらのお店は食堂・松月と、大衆食堂、地元の人のための食堂然としています。建物は最近になって改築したのでピカピカで機能的ですが、メニュー表をみるとラーメンや丼、定食などごく普通の食堂となんら変わりませんし、日曜日のランチ時でも多くのお客さんがこれらを注文しています。

黒板には魚メニューがずらり

が、魚のメニューを注文してみると、地の魚をウリにしている近くのお店を遙かに凌駕していると思います。魚が好きな人なら店内の黒板メニューを見ただけで「タダ者でないな」、「これは期待できそうだ」と思うはずです。この日は日替わりの刺身定食1850円、赤コチと穴子の天ぷら950円、豆アジのマリネ250円をお願いしました。他にも煮魚やフライなど気になるメニューは多かったのですが泣く泣く我慢しました。

刺身定食は、漁港前や海の幸をウリにしているお店ならどこでもある平凡なメニューですが、その中身となるとピンキリです。お店の実力と考え方を見るにはぴったりなものだと思います。こちらの店のものは、目の前に登場した時はちょっとびっくりしました。食堂のそれではなく、まぎれもなく割烹や料理屋のものに見えたからです。

眼でも楽しませてくれます

この驚きは食べてもゆるぎないものになりました。この手のお店の常道である安定的に提供できるマグロや甘エビ、ホタテ、サーモン、ウニなどを盛ることなく、目の前の三河湾で獲れた地の魚や貝類で勝負しています。これが本来の姿なんでしょうが、最近このようなお店って本当に少なくなりましたからうれしかったですね。

この日の皿には、赤イカ、スミイカ、穴子の焼霜造り、トリ貝、タイラ貝、鰹、カサゴの姿造り、黒ムツ、コチ、鯛、シャコ、タコと豪華です。三河湾は全国的にも魚種、特に貝類においては屈指の漁場ですから旬のものがこれだけ揃うんですね。どれもおいしくハズレのものがなかったですが、特に黒ムツの上質な脂のとろける旨さ、穴子やシャコのジューシーさ、イカやタコの甘さ・・・などなどどれもが特徴的で、口に食べるたびにニコニコしてきてしまいました。

定食には小鉢が付いてきます

この刺身の定食にはご飯とみそ汁、漬物のお決まりのほかに小鉢が2つついてきました。ひとつは小さな渡り蟹の蒸し物、もうひとつはタコの酢の物です。箸休めどころか、蟹は良いビールのつまみになりました。小鉢まで海の幸なのはうれしい限りです。

さて、天ぷらはどうでしょうか。普通は野菜などが入ってくるんでしょうが、こちらもうれしいことに魚介類オンリーです。内容は赤コチに穴子、イカ、小エビと笹かき牛蒡のかき揚げです。初めから塩と天つゆがついてきます。海鮮ものには塩が合いますからね。

天ぷらも盛り合わせです

味については、これまた食堂という名前から考えるとびっくりするくらい上手に揚げてあると思います。東京の天ぷら専門店までとはいきませんが、地方都市の天ぷら店に伍するものがあると思います。良い素材の持ち味を生かすために、衣は薄く、ふんわりと仕上げています。

赤コチは、天ぷらの定番ネタであるメゴチとキスの間のような感じで、淡泊な白身は揚げることによってより真価を発揮しているように思いました。穴子は私の中では海老と並ぶ天ぷらネタの横綱的な存在ですが、こちらでもほっこりホコホコに揚がっていました。欲をいえばもう少したくさん食べたかったですね。

豆アジの南蛮漬けです

箸休めとして頼んだ豆鯵のマリネは、いわゆる南蛮漬けなんですが、心配した甘く濃い味付けでなく、薄味で上品なものに仕上がっていました。これはどの料理にも共通するのですが、塩や醤油、味醂の塩梅が好みのもので、ガツンとはっきりとした味付けが多い漁港前の漁師料理の店にありがちなものでない、現代風な味付けは女性やお年寄りにはうれしい配慮かと思います。

と、こちらのお店は蒲郡の形原漁港の目の前という地の利を生かして、旬の魚貝類を刺身、煮付け、天ぷら、フライ、焼き・・・と、素材に合った調理法でお手頃な値段で提供してくれています。パッと見の値段は近所の行列ができる海鮮料理の店に負けるかもしれませんが、内容と質に関してはけっして負けることなく優れていると思います。

日替わりの定食がありますよ

蒲郡という名古屋から日帰り圏の観光地でありながら、昔ながらの漁村で出前や地元民の気軽な食堂という形が功を奏してか、量や見栄えを求める人や派手さを追及するメディアに荒らされることなく、知る人ぞ知るというお店で営業を続けているのはある意味、奇跡と言っていいかもしれません。このブログは名古屋圏の人は余り読む人がいないので書くことにしたほどです。願わくば某巨大口コミグルメサイトや名古屋圏の有名グルメブログに載らないで欲しいですね。まぁ私が言うのもおこがましいのですが・・・。

改装してきれいになりました

ということで、蒲郡は静岡市や浜松市からの気軽にドライブで行ける場所ですから、う三河湾のおいしい魚介類を食べたいと思ったら訪ねてほしい一軒です。我が家でも四季それぞれの魚を食べに行きたいと思った次第です。リピート決定のお店です。欲をいえば4人とか6人くらいで出かけて魚料理をあれこれ食べつくしたいものです。なお、天候によっては魚種が少なくなることがあるのでお気を付けください。


食堂松月

蒲郡市形原町三浦町12-10(形原漁港近く)
0533-57-3322 11:00~15:00(L.O14:30) 16:30~21:00(L.O20:30)
水曜日休み

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やぶや@島田市

kage

2011/06/12 (Sun)

どじょう料理+アルファのお楽しみ! やぶや

夏場の料理というとウナギが思い浮かびますが、同じ川魚類にドジョウがあります。東京の下町にはどじょう料理の専門店があり人気を得ていますが、静岡県ではほとんど出す店がありません。そんな中、島田の駅前にあるやぶやはどじょう料理を季節の各種料理を出す店として近隣ではちょっと知られています。

どじょうの旨さがよくでてます

こちらのお店は昭和の時代からありますが、最近になって新しい店舗になって居心地も使い勝手も格段と揚がりました。大きな厨房を囲む椅子席のカウンターと宴会も可能なお座敷に分かれています。この日は平日にも関わらず10席余のカウンターはほぼ満員の人気ぶりでした。お客さんの平均年齢は高めでした。しかも常連さんが多いようで皆思い思いの料理とお酒を楽しんでおりました。

どじょうの料理というとなんといっても柳川鍋とどじょう鍋が双璧といっていいと思います。しかも丸のままと裂き(開き)の両方を好みで使い分けすることができます。どじょう好きの間では丸こそ通の証しという人も多いようですが、私はコリッとした食感よりもどじょうの旨さを優先したいので開きの方が好きですね。まぁこの辺りはウナギの関東風と関西風の違いと同じ感じかもしれませんね。

柳川鍋ですよ

最初は柳川鍋をお願いしました。定法通りの薄型の一人用の鍋にアツアツのものが運ばれてきます。薄口ながら上品でしっかりとした自然感のある出汁の上に牛蒡の笹がき、卵でとじられたどじょうが三位一体となって楽しませてくれます。懐かしくもホッとする味ですね。

この柳川鍋には山椒が合うのですが、どじょうのストレートの旨味というよりも、どじょうを料理の素材のひとつとしていかにおいしく食べさせるか?を考えた調理法だと思います。万人向けという面もありますが、歴史ある定番料理はやはり安心できる味に仕上がっていると思います。

どじょう料理があれこれ楽しめます

オープンキッチン+カウンター席の良さのひとつに調理をしている板前さんの話を聞きながら食べることができることだと思います。私が座った目の前は親方のまな板でしたので、どじょうをさばいたり開いたり、薄い身に串を器用に打つのを見たりできました。鰻料理はテレビで見ることがありますが、より小さいどじょうの調理はまさにプロでないと無理だなぁと感心することしきりでした。

さらにこちらの親方は、良い意味で口が達者な方でどじょう料理のあれこれや歴史、江戸のどじょう料理とやぶやの料理の違いなどを謙虚に話をしてくれました。例えば、柳川鍋というのは、風になびく柳と川面の姿を模した風流な食べ物ということで、隣の席の常連さんも何十年と通っていたけど初めて聞くとのことでした。どじょう料理について興味ある方は親方の前の席に座ることをお勧めします。

天ぷらも本格的ですよ

それから、こちらのお店の良い点はどじょう料理だけではありません。居酒屋以上割烹未満という言葉がありますが、割烹並かそれ以上の一品を楽しめることができるのです。ビールのお供にキスとかさごの天ぷら盛り合わせをお願いしたのですが、これがカラリと揚がっているのに中はふんわりという魚介類の天ぷらとしてはこれ以上ない仕上がりになっていました。

この天ぷらを塩で食べるとどじょう料理と同じように天ぷらも職人さんに作ってもらうのが一番だなぁと思わずにはいられませんでした。さらに他のお客さんが裏メニューとして天丼を食べていたのですが、これまた天ぷら専門店顔負けの表情をしていました。次回はこれをお願いしたいですね。

どじょう料理以外のメニューは、刺身に天ぷら、野菜料理など素材の良さをプロの技でよりよくして楽しませるものが多いようで、カウンターには冷蔵ケースの中には魚介類が、上には新鮮そうな野菜が乗っています。さらに京都のおばんざいのように大鉢にはいった料理も3,4品ありました。常連さんが多いお店では季節のものがサクッと食べられるのも重要なポイントですからね。

米茄子の田楽です

そんな野菜の中から米茄子の田楽をお願いしました。どこにでもあるような定番メニューですが、これが京都の割烹で出てくるような旨さでびっくりしました。西京味噌で出来た田楽味噌が生クリームでも入っているようななめらかさとコクが出ているのです。

この田楽味噌のおいしさは、京都の有名な味噌屋の最高級品を使っているだけでなく、隠し味を加えて丁寧に根気よく練っているかだそうです。このおいしさの秘密は親方の息子さんが京都の料亭でしっかりとした修行をしてきたのも大きいかと思います。揚げ物も刺身のひき方も流石と思わせる所作でしたので、やはりという感じでした。

どじょう鍋は直球勝負ですよ

この辺で要のどじょう料理に戻ることにします。こちらには竜田揚げやかば焼きなどもありますが、やはりどじょう鍋(一番上の写真)を食べないわけにはいきません。ネギ多めの開きでお願いしました。どじょう鍋には一味唐辛子の方が合うようです。

柳川鍋はふんわりやさしい味わいが特徴ですが、こちらはストレートにどじょうの味を楽しむことができます。もっとどじょうが入っているくらいでもいいくらいですが、泥臭さも全くない川魚特有の滋味あふれる味わいが薄めのだし汁とたっぷりの白ネギの軽やかな鮮烈さと相まってアッという間に完食してしまいました。まぁ鍋ですからアツアツをフーフー言いながら食べるのがいいですからね。

うなぎのおむすびです

居酒屋や割烹には、どの店にも〆のご飯類や麺類がありますが、こちらのお店の名物はうなぎを使ったおにぎり「うなむす」になります。一日限定16個ですので、店に入ったと同時に取り置きをしてもらった方がいいかもしれません。私も2個お願いしました。このうなむすは一個250円といううれしい値段です。

うなむすはひとつはそのまま、もうひとつはうなむす茶漬けにしてもらいました。お茶漬けの方はプラス100円加算されます。うなむすのうなぎの蒲焼の端っこをうなぎのタレでまぶしたおにぎりに巻き込んだもので、そのままコンビニで売り出せば大人気間違いなしの旨さです。山椒をちょっと振りかけてかぶりつけば、プチうな丼の醍醐味を味わうことができます。

うなぎのおにぎり茶漬けです

もうひとつのお茶漬けはこれを具にして出汁茶を掛けたもので、こってりとしたうなむすとさっぱりとした出汁茶のバランスが飲んだ人にはぴったりだと思います。わさびをちょっと加えてもいいかもしれません。そうそう、これに付いてくる糠漬けの盛り合わせももちろん手造りで抜群のおいしさでした。別口で頼む人も多いとのことも納得できるものでした。

居酒屋というと、アルコールを抜きにして語れませんが、ビール以外に日本酒や焼酎も揃っていますが、惜しむらしくは品揃えが今一つといったところでしょうか。日本酒は志太地区の日本酒あれこれが、焼酎は芋や蕎麦、麦などポピュラーなものでも一通り揃っているとさらに魅力がアップするかと思いました。

この提灯が目印ですよ

と、こちらのお店は歴史のあるだけに常連さんには居心地が良くて一見さんには敷居が高いと思われるかもしれませんが、そんなことは全くなく、若い人でも違和感なく溶け込むことができるかと思います。今時の創作系の居酒屋へ行くよりも多少お金が掛かるかもしれませんが、季節のおいしい料理とどじょう料理を楽しむことができることができるのでトータルすれば満足感は高いと思います。

改装してきれいになりました

島田市は江戸時代から街道でも有数の規模を誇っていただけに昔ながらの居酒屋や小料理屋が多いのですが、探せばこちらのお店のようなキラリと光る隠れた名店がたくさんあるようです。どじょう料理が好きな人はもちろんのこと、どじょう料理を敬遠していた人も一度行ってみてあれこれ食べてみれば納得できるかと思います。気になる予算もひとり飲んで食べても5千円程度かそれ以下だと思います。なお週末などは予約がお勧めです。


どせう・四季料理 やぶや

島田市栄町3-2(JR島田駅北口近く)
0547-36-5115  17:00~22:30
定休日日曜日、祝日

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