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田園、ボンネット、加奈@熱海市

kage

2009/09/19 (Sat)

熱海純喫茶対決!田園VSボンネットVS加奈

伊豆を代表する温泉地の熱海は、新しいものと旧いものが同居するちょっと不可思議な街です。それはカフェ、喫茶店にも同じことがいえます。お洒落なカフェや隠れ家風な喫茶店から昭和の香りどころか、昭和そのまんまの純喫茶が数多く残っている稀有な街でもあるのです。今回はその中から3軒を選んでみました。

この雰囲気こそが純喫茶です

この純喫茶なるもの、昭和の時代には街のそこかしこに存在しました。定義?によると酒類を出さない純粋な喫茶店だそうで、コーヒーチェーン店やカフェ、ファストフード、ファミレスなどの台頭により絶滅の危機に瀕しています。創業ン十年とか昔ながらの、昭和の香り・・・など色々な形容詞がつきますが、昭和30年~40年代の町並みや風俗がブームという言葉を超えて定着した現在、懐かしくも心安らげる場所であるのは間違いありません。

純喫茶 田園

最初は、看板にも堂々と純喫茶の名前が堂々と掲げられている田園です。場所は海岸に近い一角で隣は熱海で一、二を争う老舗の洋食屋です。そのお店は有名ですが、田園の方はというとガイドブックやネットにもほとんど出ることなくひっそりとしています。が、このお客さんがそれほどいないのんびりとした空間と時間こそが現代においての純喫茶の良さだと思うのです。

看板にも堂々と純の文字が・・・

この良さをさらに盛り上げてくれるのが、お店の内装やしつらえ、デコレーション、デティールの数々なのだと思います。創業50年とのことですが、店のほとんどがその当時のまんまなのです。特に入ってすぐ飛び込んでくる池!と屹立している白い3体のオブジェが凄いです。さらにその下は小さな池!になっており錦鯉が泳いでいるのです。

店の真ん中に不思議なオブジェが・・・

この無駄とも思えるオブジェが鎮座している一方、テーブルや椅子は広々しているわけでもなく、昔の喫茶店の常である背が低く、深く腰かける別珍の椅子がたまりません。最近のカフェでは当たり前のソファではありませんが、すわり心地が良く、珈琲などの飲み物片手に新聞を読んだり持ち込んだ文庫本でも読むには最適です。

今日は暑いのでアイス珈琲を注文してみました。これがなかなかどうしてけっこう本格的なものです。さすが純喫茶です。苦味と酸味のバランスも良く下手なチェーン店より上でしょう。もちろん、軽食やパフェなどのデザート類もあります。店の前と店内にはちょっと埃をかぶったサンプルも鎮座しています。これを見てから注文するのもオツですね。

なかなか本格的なものですよ

私の後から入店したおじさん二人組が注文していたナポリタンはお約束のどぎついケチャップ色をしていました。きっと他の食べ物なども昭和の香りがするのでしょう。なお「20年ぶりに来たけど何も変わっていないなぁ」と感嘆していましたが、この雰囲気ならそうでしょうね。最近どの店もすぐに内装を変えたりしますが、変えないからこそ生きてくるものもあるんだと思います。もちろん、BGMは戦後すぐの歌謡曲が流れています・・・。

ボンネット

次の店はネットやガイドブックにもたくさん出てくる有名店です。このお店を有名にしたのは看板商品であるハンバーガーの存在でしょう。今では街のそこかしこで食べることができるハンバーガーをいちはやく熱海の街で出した店として知られています。そう進駐軍仕込みのハンバーガーというわけですね。

名物のハンバーガーです

このお店は田園と違って土曜日や祝日などはけっこう混雑しています。この日も一度満員で出直したくらいですから。なんといっても軽食が充実しているのと有名なお店を体験しようという観光客の人が多いのでしょう。と、思ったのですが、もうひとつの理由は注文してから提供されるまでの時間がのんびりとしているため回転が悪いんですね。

こちらのお店の内装もレトロです。お約束の背の低い椅子と壁のポスター、オレンジ色の薄暗くも暖かい光と歴史を経た内装です。このテーブル配置が今とは違っていて、普通は壁に沿ってベンチシートが並ぶのでしょうが、昔の電車のように4人掛けのボックスシートが続いているのです。お客さんはグループ客やファミリー客が多かったですね。

ハンバーガーのセットもありますよ

さて、肝心のハンバーガーはどうでしょうか?お洒落なバスケットに入ってきたものには生のたまねぎスライスやレタスなどが別添えになっています。大きさは小ぶりです。これは芸者さんでも食べやすいほうな大きさになったという謂れや伝統の大きさだという意見など色々ありますね。現代の巨大なハンバーガーを見慣れるとがっかりしてしまうほどですが、食べてみると杞憂とわかります。

この内装、雰囲気いいですねぇ

そう、こちらのハンバーガーは密度が濃いのです。丁寧に焼かれたバンズもハンバーグパティもみっちりしているのです。ふにゃふにゃでなくがっしり男性的なのです。が、味付けは甘辛いソースと生たまねぎのシャッキとした辛味、牛肉の旨さと甘さのハーモニーが良い感じです。けっしてグルメハンバーガーといった感じではありませんが、他のハンバーガーとは一味違うものがあります。

このハンバーグと珈琲が一緒に楽しめるハンバーガーセットが700円というのは観光地熱海にあっては良心的な価格だと思います。小腹がすいた時に、一休みしたい時には利用しても後悔することはなく熱海の良い思い出の1ページとなることと思います。

ここも渋いですよ~

このお店は谷崎潤一郎や三島由紀夫といった錚々たる文豪が熱海に滞在したときには愛用していたようで、さすがに開業してから60年近く経っているという歴史は伊達ではないと納得させてくれます。こちらの店の歴史についてはこちらを、ハンバーガーについてはこちらがより詳しく出ています。それからこちらのBGMは戦後から昭和時代のスイングジャズや軽めのポップスなんかです・・・。


珈琲院 加奈

こちらの店は純喫茶というより歴史ある珈琲専門店といった雰囲気を持っています。お店のメインとなっているのはコの字型のカウンター席です。オープンキッチン形式になっており、サイフォンや各種の調理器具、カップなどが整然と並んでいます。落ち着いた色合いと木を生かした内装が現代の軽さとは一線を画しています。そして店の奥には外の景色を見ながら寛げるテーブル席もあります。こちらも良い雰囲気です。

カウンターが中心です

こちらのメニューはブレンドの他にストレート珈琲が多いのも特徴です。珈琲に合わせてトースト、特にハニートーストなんかが良く出るそうです。他に目をひくのはゼリー類です。特にコーヒーゼリーが名物ということで迷わず注文してみました。外でコーヒーゼリーを頼むのなんて久しぶりです。

こちらのコーヒーゼリーはパフェの器かアイスコーヒー用の背の高いグラスに入ってきました。けっこうな量があります。見た目はウインナーアイスコーヒーっぽいんですが、ちゃんと下の部分は固まっています。

本格的なコーヒーゼリーです

最初はたっぷりのホイップクリームの甘さがきて、次に甘さのない苦味の効いたゼリーが追いかけてきます。別々に楽しむのもいいですし、混ぜながら食べてもおいしいです。カフェスプーンですくって食べることもストローで吸うこともできる柔らかめな仕上がりです。ちょっと食感はグリコのドロリッチに似ているかもしれません。しかし、本格的な味は断然こちらです。さすが名物というだけのことはあります。甘党の人でなくても食べられるビターさです。

コーヒーの種類が多いですよ

こちらのお店は昭和48年に創業したそうですからもうすぐ40年というところでしょうか。熱海全盛の頃は2階にはキャバレー銀馬車という華やかなお店があったそうですが、今は居酒屋や色々な飲食店、そしてマンション・・・と時代の変遷を感じさせてくれます。近くには芸者置屋や見番がある花街ですから昔は芸者さんが一休みしていたんでしょう。


と、今回は3軒紹介しましたが、熱海にはまだまだ昭和の香りがプンプンとする懐かしい喫茶店が存在しています。どの店も個性的ですが、ネットやメディアの露出度はボンネット>加奈>田園ですが、私的なディープ度、ハードルの高さ度はこの逆で田園>加奈>ボンネットとなります。おもしろいものです。まぁ、どの店も現代の喫茶店の主流であるSやDなどのチェーン店とは違った魅力があるのは間違いありません。

オブジェの下には鯉が泳いでいます

21世紀の今、純喫茶や駄菓子屋、大衆酒場に大衆食堂、荒物屋・・・などなど昭和が輝いて時代のお店が一周遅れで密かに脚光を浴びていますが、これらの喫茶店でのんびり過ごす時間は、好きな人にとってはたまらない贅沢な時間なのかもしれません。昭和の時代が一番賑やかだった熱海だからこそ残ってきたこれらのお店に行ってみるのも良い思い出になるかと思います。


純喫茶 田園

熱海市渚町12-5(ホームセンターハンディ近く)
0557-81-5452 9:00~21:00 木曜休み

ボンネット

熱海市銀座町8-14 (スルガ銀行熱海支店近く)
0557-81-4960 日曜、1・3・5・7・8・10・12月最終土曜
9:00~18:00

珈琲院 加奈

熱海市銀座町2-8(ニューフジヤホテル近く)
0557-81-7593  9:00 ~ 21:00 木曜日休み

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